競馬予想AIの作り方は?開発する時の3つの注意点を徹底解説

コラム

最近ではオセロや将棋、チェスなどでAI人工知能が人を上回る活躍をし注目を集めています。AI同士の対決も見ものですが、やはり人間対AIの対決が盛り上がっています。かねてから言われていたAIが人間を超える時代は確実に近づいており今後も目が離せないコンテンツとなっています。

さらに競馬や競艇、オートレースなど公営ギャンブルの予想にもAIが多く用いられるようになってきました。データを入力し、シミュレーションを繰り返し学習させることで、精度を磨くことができ実際に多くの的中実績を積み重ねています。

中には自分でAIを開発したいと考える人も少なくないのではないでしょうか?無料で予想を見ることが出来るサイトもありますが、大手のAI予想では有料のコンテンツになっている場合も珍しくありません。

自分が開発したAIシステムで高い的中率を実現できれば、もっと競馬が楽になる思うと思います。しかし公営ギャンブルのAI開発は簡単ではなく、将棋やチェスなどとは大きく異なる難点があるのでご紹介していきたいと思います。

競馬予想をAIで行うことのメリットはある!?

最近の競馬は大量のデータを使用することで的中率がアップするとも言われており、馬の調子や実力だけではなくレース展開がスムーズに行きやすい枠や、レース会場と脚色の相性など様々な観点から競走馬を見て予想を組み立てる必要があります。

競馬の歴史も古くなってきており、データの量が膨大になっているため人間が把握することはとても困難になってきています。そこでAIを利用したデータ整理を行うサイトが増加しています。

過去のレースと競走馬の成績やタイム、騎手の実力などを駆使してAI予想をし、熟練の予想師を上回る予想を展開することも増えてきています。競馬予想AIサイトも合わせて増えてきており、かなり激しいせめぎ合いをしている印象があります。

またAI予想サイトでは悪徳だと感じるサイトが少ない事も特徴の一つだと思います。AIの勉強のために開発し公開しているサイトなどもあり、無料で情報を閲覧できることも珍しくありません。利用者としても情報を購入する必要がなく、安心して利用できるというメリットもあります。

AI予想のデメリットは!?

残念ながらAIによる予想はメリットだけではなくデメリットも存在します。例えばAIの予想は過去のデータを考慮することが多いので、リアルな情報に弱いという特徴があります。もちろん中には当日の馬場状態や、馬の調子などを反映させるサイトもありますが、前日までの情報で予想を展開しているサイトが多いのが現状です。

またデータや情報などで全てを把握することができないのが競馬です。その日のジョッキーの調子や、競走馬の調子、気温や会場の雰囲気など様々ことが順位に影響を及ぼします。

その独特な情報はまだAIでは把握しきれない部分なので、人間が手を加える必要があります。最終的な判断や予想は人間が調整し行うことで買い目が完結します。AIだけで予想が出来るようになることはもしかしたら今後もあり得ないかもしれません。

さらにこれはメリットでもありデメリットでもありますが、もしAIによる予想で毎レース的中できるシステムが完成してしまった時はギャンブルが成り立たなくなる可能性があります。JRAも必ず赤字になるようになってしまうと開催することは難しくなると思います。100%的中は不可能だと思っていますが、AIの進歩も未知数なので可能性は0ではないと思います。

競馬予想AIを作る時に難しいポイントを3つ紹介

今後AIによって100%的中が実現するかもと言いまわしたが実際にはとても難しいです。これからのAIの成長にもよりますが、競馬とAIはあまり相性が良いとは言えない理由があります。AIを開発する時にも多くの人がこのポイントに悩んできており、常に課題となっています。そこでAIの作り方を説明するのも良いですが、ここからは開発する時の難しいポイントを紹介していきます。

不確定要素が多い競馬とAIの相性は悪い

例えば将棋のAIを開発するなら、「こう打たれたらこう打ち返す」「この状況になったらもう勝ちまで持っていける」と様々なパターンを記憶させることで最善の一手を導き出すことが出来ます。簡単ではないですが、打つパターンは無限ですがある程度記憶させることが出来ます。言ってしまえば絶対的なパターンや行動を把握することが出来ます。

しかし競馬では、どれだけデータを読み込ませて、何万とレース予想のシミュレーションを行っても絶対的な行動はありません。

競走馬の実力や騎手の実力、その日の馬場状態や馬体重の増減などを考慮し、どの競走馬が勝つか何度もシミュレーションをし勝率が高い馬を導き出すことは可能です。

しかし、その日の馬が実力の何%を発揮できるのか不明ですし、騎手がらしからぬミスをする可能性もあります。さらに前のレースから急激に成長している馬もいれば、力が衰えてしまった馬もいます。

どれだけ頭が良いAIでも馬の成長まで把握することは難しいですよね?その日の騎手の調子までは分からないですよね?レースの展開も競走馬のかかっている時などは一気に変わることもあります。計り知れない情報が多い競馬はAIとは相性が悪いのです。

オッズという仕組みで完全に儲けることが難しい

競馬に限らず公営ギャンブルではオッズというものが存在します。的中した時に賭けた金額が何倍になるのか?その倍率のことを指しますが、これの計算方法をご存知でしょうか?競馬ではオッズを計算する時に控除率というのがあり、約26%と言われています。控除率とは競走馬が勝った時の賞金やジョッキーの賞金、JRAの運営費など必要なお金が引かれるを言います。

控除率がなかった場合を説明します。例えば2頭立てのレースがあったとします。競走馬Aに1万円、競走馬Bに1万円賭けられたとして、それぞれ10人が1000円ずつ購入していた場合、競走馬Aが勝てば一人2000円貰える計算になりますよね?オッズで言えば2倍になります。

しかしこれは胴元がいない場合しかあり得ません。主催者側には1円も入っていないため競馬ではこのような倍率にはなりません。では実際にどのようなオッズになるのかというと、26%の控除率を引くので全体に賭けられた金額の2万円から5200円を引いた14800円が還元される金額なので2倍ではなく1.48倍となります。

これで何が言いたいのかと言うとAIで勝てるような馬券を予想したくても、プラス収支にすることはとても難しいということです。2頭立てのレースで実力が全く一緒なら勝率は50%ですが、払い戻しは2倍にならないので必ず勝てないというのが原則になります。

この計算を18頭立てで行ったとしても、的中率は上げることが出来ても回収率が低くなったりします。

競走馬の実力を計れないだけではなく、把握した上でもプラスにできないことが多いのです。そのため全てのレースは買わずにオッズに妙味が出た時だけ購入する必要も出てきます。

考慮しなければいけない情報が多すぎる

将棋、チェスなどで重要なことは経験を1つでも多く積んで、様々なパターンを記憶していくことです。これはAIととても相性が良く、最初にAIで注目された理由だと思います。開発側は少しでも効率が良いシミュレーション方法を実施したり、無駄がない学習をすることが重要になります。逆に言えばパターンから最良の1手を導き出すことだけできれば勝てるようになるのです。

しかし競馬では血統、距離、相性、属性、調子、実力、調教状況、枠、レース間隔、年齢、騎手、乗り替わり、馬場状態、気温、天候、落ち着き具合、輸送のストレスなど上げればキリがないほどの情報が存在します。さらにリアルタイムで変動し続けるオッズを考慮し、買い目の信頼度やプラス収支にする予測などを行うことは簡単ではありません。

そのため現在AIに反映している情報はある程度少なくしているサイトが多くあります。せいぜい10項目くらいから買い目を予想していたり、全く異なる7項目を考慮しているAIを2つ掛け合わせたりしています。順調に行っているAIもありますが、やはりそれでは回収率がそこまで高くはないのが現状です。

現在のAI予想への信頼度は?

ここまで競馬予想をするAI開発の難しさを紹介しましたが、実際に現状AI予想はどこまで信頼できるのでしょうか?回収率300%超え!とか書かれて推しているサイトも多くありますが、完全に信頼することは危険だと言えるでしょう。ある程度データや情報で予測をすることができるため、的中実績も多く報告されていますし、時には万馬券も出ているので利用する人も増えています。

しかし、冒頭でも言いましたが、最終的な判断は人間が行う必要はまだまだあると思います。むしろ、その判断の精度を上げることが的中率アップに繋がると思います。そのため自分の競馬の勉強を怠らずに、上手にAI予想を使うことが必要になると思います。

AIはドンドンシミュレーションを繰り返し学習することで精度が上がることが特徴です。今はまだ未熟な点も残っていますが今後に期待はできると思います。

まとめ

今回は競馬をAI予想する難しさについて紹介させていただきました。最近では本当に多くのAI予想サイトが誕生しており、注目度が上がっていることをひしひしと感じます。そこには面白い予想や、実際に頼りになる買い目の予測などがあるからだと思います。

まだまだ改良の余地が大いにありますが、一緒にAIの成長を見届けても楽しいかもしれませんよ?ガチの予想として使うのではなく、参考程度にしてAIと一緒に競馬の予想を楽しむのが今の使い方のような気がします。

もし今AI開発を志している方がいるのであれば、今回解説した3つのポイントに注意しながら精度が高いAIを作って欲しいと思います。

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