競馬予想AIの祭典「電脳賞」とは?過去3回の優勝ソフトと回収率結果まとめ

コラム

皆さんはニコニコ動画でお馴染みのドワンゴが主催で開催している、競馬予想プログラミング競技会「電脳賞」をご存知ですか?近年の目覚ましい人工知能技術の発展に目をつけたドワンゴが、人工知能を使った競馬予想AIソフトを活用して戦い、実際にどのソフトが一番当たるのかというのを競うというものです。

競技の模様は生放送されていますので隠しようがありませんので、正確な結果が出るとして話題になり、電脳賞で優秀な成績を収めた競馬予想AIは高い注目を集める事ができ、更に優勝賞金もゲットする事が出来ます。

現在までに電脳賞は3回開催されているのですが、いずれの大会も非常に盛り上がり注目を集めました。この記事では、ドワンゴ主催で開催されている電脳賞の過去の結果と優勝ソフト、回収率や見所などを紹介していきたいと思います。

電脳賞の基本情報

まずは電脳賞の基本情報であるルールから説明していきたいと思います。毎回微妙に異なりますが、大まかなルールはどの大会でも同じなので、基本情報としてしっかりと覚えておきましょう。

基本ルール

まずは電脳賞の基本的なルールや決まり事から紹介していきます。

・独自のロジックを用いて競馬の予想を支援するソフトを開発し、該当レースにおける指定条件(競技部門)の達成に挑戦するプログラム競技会です。
・当大会のソフトとはブラウザ上で動作するシミュレーターやアプリケーションなど形式は問わず、予想ロジックに基づき結果を出力できるものを指します。
・作成したソフトのみを使用し、対象レースの結果を予想してください。
・競馬専門紙や日刊紙、他メディア等の他者の予想や指数に乗ること、利用することは禁止します。
・中央競馬のすべてのレースを予想できるようにしてください。
・大会の様子は、一部ニコニコ生放送にて生放送されます。

簡単に要約すると、独自のロジックを用いて競馬予想を支援するソフトを開発して、競馬専門誌などの指数を利用は全て禁止となっています。中央競馬のレースを予想できるようにしていて、大会の様子は毎回生放送で中継されます。

ちなみに対象レースは大会毎に異なり、自分達のチーム毎にレースは選別する事が可能です。苦手なレースは避けて得意なレースを選ぶ事が出来るという訳です。

ポイント

電脳賞では実際に馬券を購入して競うのではなく、選出したレースごとに付与されるポイントの回収率で競っていく形になります。

・10,000ポイントを選出したレースごとに付与しますので、それを使用してレース予想をしてください。
・予想は現金ではなく架空のポイント(投票1点あたり100ポイント単位)を使用します。
・10,000ポイントはレースごとにすべて消費してください。
・使用ポイントに過不足がある場合や締め切り時間までに予想の提出が間に合わなかった場合、10,000ポイントを消費したうえでそのレースの回収率は0%とします。
・使用ポイントの割り振りは、ソフト機能で行っても、参加者自身で行っても構いません。
※競技会期間中において予想やポイントの割振り方等の変更を行う場合は実行委員会に事前に申請をしてください。
公平な競技会開催の為、変更内容について実行委員会が協議する場合がございます。
・予想が的中し、ポイントが増えても別のレースに使うことはできません。1つのレースに使えるポイントは10,000ポイントが上限です。
・出走取消や競争除外が発生した場合、電脳賞予想の締切時刻までに間に合うようであれば再度予想の提出を認めます。そうでない場合は、その対象馬が含まれている予想に使用したポイントと同数のポイントを的中ポイントに換算いたします。

選出可能な券種は複勝と枠連以外の全ての券種が利用可能で、予想するレースを選んだらレース当日の朝9時までに提出する形で決定となります。予想はレース開始の10分前までに提出する事が義務付けられています。

褒賞

電脳賞で優勝した時に得られる褒賞についても決められています。

・優秀な成績を残した参加者(ソフト開発者)は、公式ニコニコチャンネルにて、「電脳賞」の冠を付した独自チャンネルの運営権利および収益分配が受けられます。
※上記の運営権利および分配収益は、第三者に譲渡できません。
※収益分配などの条件は、大会終了後に別途、実行委員会と該当チーム代表にて協議します。
・通算回収率が100%を超え、尚且つ参加チーム内で最も回収率が高かったチームに最大30万円を授与します。

ニコ生で電脳賞の冠をつけた独自チャンネルを開設する事が可能に!更にその大会で通算回収率が100%を超えていて最も回収率が高いチームには最大30万円が授与されます。それよりも圧倒的に利益になるのが、競馬予想AIソフトの宣伝になるという点と回収率が高い事を面前で証明出来るという事ではないでしょうか。賞金に換えがたい大きな効果があります。

第1回「電脳賞」の結果

それでは早速ですが、第1回電脳賞の優勝ソフトや結果などを紹介していきたいと思います。第1回目は初回という事もあり、今程大々的なには開催されていません。

参加ソフト一覧

第1回電脳賞に参加したソフトは僅か2つでした。

チーム名はブライアンズトウコウ。ソフト名はAlphaKeiba

■使用言語
Python

■ロジック
機械学習アルゴリズム「Random Forest」を用いてレース条件(モデル)ごとに適切な特徴量を選別して勝ち馬を選出。

チーム名は万馬券。ソフト名は競馬たん

■使用言語
Python

■ロジック
各馬の一着率や平均獲得賞金額などから機械学習を用いて勝ち馬の指数を算出。

優勝はAlphaKeiba

第1回大会の優勝は「AlphaKeiba」という結果になりました。1着予想は50レース中14レースで的中、回収率は100.6%という100%越えを見事に達成しての勝利でした。

JRA-VANが提供している過去10年以上を用いて作成されているソフトで、 コース、距離、芝/ダート、枠順、馬場状態、天気、馬体重、馬の出走回数、馬の過去の着順、馬の過去の走破タイム、馬の過去の上がり3Fのタイム、馬の脚質、他馬の脚質、騎手の平均着順の中からレース条件ごとに適切な特徴量を選別する事で、勝ち馬判定機の入力をしています。

我々は機械に与える特徴量と学習の方法を指定しているだけなので、何を根拠に予想しているのかはわかりません。たまに自分のプログラムした結果を疑いたくなりますが、試しに買ってみると万馬券が当たったりして、完全に人間の思考を超えてしまっているように思えます。

作成者はこのようにコメント。何が何だか良く分からないけど当たるといった感じらしいです。さすが人工知能といった感じですね。

第2回「電脳賞」の結果

 

2回目に開催された電脳賞は1回目よりも参加チームが増え、ここから一気に盛り上がってきたというような印象です。早速参加チームと優勝チームを紹介しましょう。

参加チーム

第2回電脳賞は前回の2チームから一気に8チームが参加しました。人工知能の発達と共に電脳賞も盛り上がっているような印象を受けます。

■チーム名
蛸坊主

■ソフト名
優先出走と期間業績によるレース分析

■使用言語
MS-ACCESS

■ロジック
競走条件毎に予想ファクターの重み付けを定義。優先出走順位決定法と期間業績値がベース

■チーム名
W.A.R.S.

■ソフト名
HRPTV5C with 五行

■使用言語
C#、専用言語 ”GoGyo”

■ロジック
独自のソフト「自然」「HRPTV5C」などの予想指数を配合して、五行で予想

■チーム名
ニコちゃんAI競馬

■ソフト名
ニコちゃんAI競馬

■使用言語
C#

■ロジック
馬単体の強弱から算出する軸馬予想とレース展開を見て2着候補を出す算定方式

■チーム名
ふへん者

■ソフト名
松風

■使用言語
Python

■ロジック
ニューラルネットワークを用いた独自算定

■チーム名
【Su/Ji】

■ソフト名
abis

■使用言語
VB.net

■ロジック
競馬場、賞金、距離、血統、生産牧場から「格」を算出する独自ロジック

■チーム名
CHANCE

■ソフト名
SIVA(シヴァ)

■使用言語
Python, JAVA, node.js

■ロジック
機械学習、重回帰分析をメインとしたロジックを使用

■チーム名
ニアークティック

■ソフト名
ポテイトーズ

■使用言語
vb,access,excel

■ロジック
戦績、騎手、血統などからパフォーマブルスピード指数を重回帰分析により算出

■チーム名
ワセダパラドックス

■ソフト名
Sortie

■使用言語
R

■ロジック
人間の予想をベースに、上がりの速さや展開の利などを考慮して予測を行うモデル

第2回の優勝はニコちゃんAI競馬

出典元:https://ch.nicovideo.jp/dennoushou/blomaga/ar1268387

第2回電脳賞の優勝チームはニコちゃんAI競馬でした。2日目に3連複11万馬券を的中させ当日回収率脅威の1200%越えを達成。その後もコンスタントに高い回収率を叩き出した結果、トータルで回収率181.9%という高い数値で見事優勝。

全チーム合わせて合計9本の万馬券を的中させるというハイレベルな戦いが繰り広げられましたが、最後までニコちゃんAI競馬を追い抜くチームは現れず、独走状態で優勝となりました。

第3回「電脳賞」の結果

最も直近で開催された第3回電脳賞。参加チームは過去2回を大きく上回る14チームでした。

参加チーム

それでは第3回大会の参加チームを紹介していきます。

■ソフト名AIM

IT企業の競馬サークルのメンバーです。馬券が当たらない、回収できないといった課題をテクノロジーで解決すべく集まりました。

■ソフト名 Thoroughbred

元ノーザンファーム空港牧場の育成スタッフとして働いていました。
デビュー前の1歳馬の馴致から基礎訓練、放牧馬の訓練など競走馬に騎乗しておりました。ノーザンホースパークで開催される世界最大のセリに上場する馬の誘導もしておりました。現在はIT系の会社でサーバ、ネットワークの運用、保守をしております。

■ソフト名 回収率1000%中の1000%!!!

大学院卒 (機械学習分野の研究室に所属)現在,大手IT企業 データサイエンス部門に所属。プログラム関連の受賞歴は特にありません。

■ソフト名 Dogara データサイエンティスト

統計、機械学習を学び、博士号を取得。2年前から競馬予想を始め、2017年の回収率は117%(11月現在)アルゴリズムはタイム差予測と投票最適化で構成

■ソフト名 サウス・インパクト

専門学生です。複数のIT企業でエンジニアとしてインターンしていました。

■ソフト名 TAKANOME

某SIerで働く、文系出身インフラ系のITエンジニア。競馬も予測プログラム開発も、学び始めてから1年程度の初心者ですが、日々コツコツと頑張っています。

■ソフト名 テンマ

日本の南の端沖縄生まれのエンジニアです。大学の情報工学科で、プログラミング、ネットワーク、データベース、データサイエンスを学びました。大学卒業後、データエンジニア兼プログラマとして働きながら、趣味である競馬でもデータ分析を活用して予想しています。

■ソフト名 Fanfare

情報工学を専攻している大学院修士2年。音声に関する研究を行っており,機械学習,とくに深層学習に強い関心があります。競馬経験はありませんが持っている機械学習の知識を活かして勝利を狙います。ハッカソン等への参加はありません.本競技会が初参加になります.お手柔らかにお願いします

■ソフト名 午王

猫と酒をこよなく愛するプログラマー。現在は某スポーツメディアサイトでの各種スポーツの勝敗予想の分析・実装を行なっている

■ソフト名 左馬

競馬ソフト作成と入れ歯作成ならお任せ下さい

■ソフト名 Bulk!!

第2回電脳賞(春)「怪しい枠」出走者。「非」AI予想ソフトをつくります。
プログラム初心者でも予想ソフトは作れることをアピールしていきたいと思います!今回は新作ソフトで挑みます!「そんなに信用できない」予想ソフトを本気で目指しています。

■ソフト名 Beagle

競馬歴は30年になり、JRA-VANが誕生する前からパソコンによるデータ分析および予想プログラムを作成して競馬を楽しんでいます。今回は2回目の参戦で、ローテーションと調教を重視した予想ロジックで優勝を狙います。

■ソフト名 W.A.R.S.虎の穴

第二回電脳賞、桜花賞で9万馬券を的中も準優勝の雪辱を今回ははらす。(T_T)、「自然X」WARS虎の穴始動。AIに勝つ。^^;

■ソフト名 Data Leakage

競馬初心者ですが、データ分析を武器に優勝を目指します。オッズの歪みを利用して、回収率100%以上を目指したいと思います。宜しくお願い致します。

優勝チームはThoroughbred


優勝チームは脅威の回収率132%を達成したThoroughbredという事になりました。入れ歯作りが得意な歯医者さんの左馬さんも脅威の120%という結果に。大変ハイレベルな大会となり大いに盛り上がりました。

まとめ

ドワンゴが主催しニコニコ生放送で中継され、毎回大きな話題になる電脳賞。第4回の開催はまだ未定ですが、近々開催詳細の発表があるかもしれない。第4回はどんな戦いを見せてくれるのか…

上記の参加ソフトは実際にリリースされて利用できるものもありますので、興味がある方は是非チェックしてみて下さいね!
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